初めての東京一人暮らし

転職先が思いのほか早く決まって、本当に良かった、

と思いつつ人間の欲望は尽きぬもので、まだほかにも
もっと良い会社があるんじゃないかと思いました。

当時はまだ現在のようにすさまじい就職難ではなく、人材銀行に
登録すればすぐに面接の依頼がきたほどでしたので、
そんな贅沢なことを言えたのです。

でも早く決めてゆっくりしたいという気持ちが大きく、すぐに入社
の意思を伝えました。
それから入社まで1週間ほどのんびりとしたかったのですが、
それより少しでもスキルアップをしておく必要があると思い、
勉強三昧でした。

そして、ついに入社日となり、単身東京本社へ上京したのです。
これからしばらくの間、東京研修ということで一人暮らしになります。
希望と不安で一杯の状態での新幹線は、もうあっという間でした。

入社手続きを終えた後、上司となる方がくるまでひたすら会議室で
待っておりました。
30分ほどして上司(外資系なのでBOSSです)と会い、説明を受けた
あとにランチに連れて行ってくれました。
そこで御馳走していただけるとのことで、なんと

BOSSより高級なものを注文してしまい、
気まずい空気が流れました、、、

私は、実はとても口べたで会話が下手くそだったので、会話も全然
はずまず、しまいには不安視される始末。
そう、これからの将来を暗示するかのように、、、
その不安視は的中していくのでした。

でもそのときは、まぁ、将来のことはつゆ考えもせず、ひたすらやる気
に満ち溢れておりました。

夕方からアシスタントの女性が、私の住むウィークリーマンションを
手配してくれていたので、一緒に向かうことになりました。
東京暮らしかと思いきや、通勤2時間!
ほぼ埼玉という場所だったのです。

でも、まぁなんとか東京暮らしがスタートしたのでした。